honkoma Journal / AI活用
Omi AIで会話を会社の資産に。録音からアイデア・営業改善につなげる方法
Omiで記録した会話をObsidianへ集め、AIの日次・週次レビューで次の行動につなげる実践を紹介します。営業改善への使い方と、録音同意・保存・アクセス権など導入前に決める項目も整理します。

会議や商談、移動中の雑談で「これは使える」と思ったアイデアが、そのまま消えてしまう。経営者や事業責任者なら、一度は経験があるのではないでしょうか。
問題はアイデアの量ではありません。会話を残し、あとから探し、次の行動へ変える仕組みがないことです。僕自身も、思いつきは多いのに実行が追いつかないことが悩みでした。
そこで使っているのが、ウェアラブル端末のOmiで会話を記録し、Obsidianへ集約して、AIに日次・週次で振り返らせる仕組みです。この記事では、単なる録音で終わらせず、会話をアイデアの実行や営業改善につなげる方法を紹介します。
Omi AIで何が変わるのか
Omiは、会話を記録し、あとから振り返れるウェアラブル端末です。動画では「Omi AI」と呼んでいます。
僕はOmiを身につけ、日常の会話を記録しています。会議だけではありません。飲み会や何気ない雑談にも、次の商品、営業施策、業務改善につながる断片が眠っているからです。

ただし、録音件数を増やすだけでは会社の成果になりません。価値が生まれるのは、記録した会話が「検索できる」「要点が分かる」「次の行動が決まる」状態になったときです。
録音を活用できるデータに変える3段階
僕の運用は、大きく3段階に分かれています。
- 残す:Omiで会話を記録する
- 整理する:文字起こしや要約をObsidianへ集約する
- 動かす:AIに判断・タスク・実行案を抽出させる
Obsidianは、Markdown形式のノートをつなげて管理できるナレッジベースです。日付ごとに会話の記録を入れておくと、「その日に何を話したか」だけでなく、決めたこと、学んだこと、やるべきことを一つの場所で確認できます。

ツール名より大切なのは、この流れが切れないことです。録音データが別々のアプリに散らばったり、要約を読むだけで終わったりすると、記録は増えても仕事は変わりません。
日報と週次レビューでアイデアを行動へ変える
日次レポートでは、その日の会話から次の項目を抽出します。
- 重要な会話と判断
- 新しく出たアイデア
- 今日の学びや気づき
- 次に実行すべきタスク
- 保留になっている事項
さらにAIへ「今日出たアイデアのうち、実行すべきものはどれか」「最初の一歩は何か」と聞き、アクションプランまで作らせます。人は、その中から実際に進めるものを判断します。

その日に動けなくても、会話とタスクがデータベースに残っていれば、翌日や週次レビューで拾い直せます。僕の場合は、週に一度「今週話したが、まだ実行できていないこと」をAIに洗い出させることで、抜け漏れを減らしています。
そのまま使える質問例です。
今週の会話から「話題にしたが、まだ実行できていないこと」を抽出し、重要度・期限・最初の一歩の3列で整理してください。推測は事実と分け、不明な期限は「未確認」と書いてください。
長期間の会話ログは、自分の判断傾向を振り返る材料にもなります。何度も話しているのに進んでいないテーマや、繰り返している課題が見えるため、単発の日報より深い自己レビューができます。
営業の会話を評価し、次の商談へつなげる
音声AIを使った記録の仕組みは、経営者個人のメモだけでなく、営業改善にも活用できます。
電話録音から文字起こし、対応案、タスクまでをつなぐ全体像は、電話録音からのCS支援でも紹介しています。
商談の振り返りで重要なのは、音声を文字起こしして終わらせず、次の商談で取る具体的な行動へつなげることです。たとえば僕が重視している「最初のミーティングで、お客さまの課題を十分に深掘りできたか」という評価基準をAIへ渡し、実際の会話と照らし合わせれば、次のような振り返りができます。
- 顧客が語った課題と背景
- 深掘りできた質問、できなかった質問
- 顧客の言葉に対する仮説
- 次回確認すべき事項
- 次の商談で取るべき行動

一件の商談を、次の行動へ変える流れ
一件の商談から次の行動を導き出す流れは、次の4段階で整理できます。
- 録音・文字起こしから、顧客が実際に話した課題や条件を抜き出す
- 「課題の深掘り」「決裁条件」「次回合意」など、あらかじめ決めた基準と照らす
- まだ確認できていない情報と、推測にすぎない部分を分ける
- 次回の質問、担当者、期限を具体的なタスクにする

たとえば商談中に「採用が難しい」という言葉が出たとしても、それだけでは解決策を決められません。応募数が足りないのか、選考途中で辞退されるのか、入社後に離職するのかで、打ち手は変わります。AIには会話から不足している確認事項を整理させ、次回の商談で聞くべき具体的な質問へ変えさせます。
重要なのは、AIに自由採点させないことです。あらかじめ決めた評価基準と実際の会話を照らし合わせ、根拠となる発言がない項目は「未確認」として整理します。AIが作るのは会話の整理案やタスクの下書きであり、「次に何を聞くか」「社内でどう動くか」の最終判断は担当者が行います。
最初からすべての商談へ広げる必要はありません。まずは特定の会議1種類に絞って2週間ほど運用し、「振り返りにかかる時間が減ったか」「次の質問が具体的になったか」「タスクの抜け漏れが減ったか」を確認します。
自社の商談に合わせた評価基準の設計や、録音データを次の営業行動へつなげる仕組みについて、現状の課題に合わせてご相談いただけます。
全社導入の前に決めるべき5項目
会話データには、顧客情報、個人情報、社外秘の内容が含まれる可能性があります。便利さだけで全社員へ配るのではなく、まず次の5項目を決めてください。
- 対象業務:どの会議・商談で使い、何の成果を目指すか
- 録音同意:参加者へいつ、どのように録音を伝えるか
- 保存ルール:保存先、保存期間、削除方法をどうするか
- アクセス権:誰が原音・文字起こし・要約を見られるか
- 評価方法:工数削減、タスク漏れ、商談品質など何を測るか
Omiの公式プライバシーポリシーでは、通常の生音声は処理後に保持せず、文字起こし・要約・メタデータはクラウドに保存すると説明されています。音声保存を有効にした場合は会話音声も保存対象です。導入前に最新の保存先・保持・削除・連携先を確認し、自社規程と照合してください。
録音に関する法令やルールは国・地域・利用場面によって異なります。Omiも、必要な場合は会話参加者の同意を得るよう案内しています。導入時はOmiの公式利用ガイドを確認し、自社の情報管理規程と利用地域のルールに合わせて運用してください。
まず一つの会議から始める
僕は会話を広く記録していますが、会社へ導入するなら、最初から全社展開する必要はありません。まずは経営会議、営業商談、採用面談など、目的が明確な一つの場面で試すのが現実的です。
記録→整理→行動の流れを2〜4週間回し、「本当に次の行動が増えたか」「振り返り時間が減ったか」「営業の質が上がったか」を確認する。効果と安全な運用を確かめてから、対象者や用途を広げていきます。
会話は、録音しただけでは資産になりません。必要なときに探せて、判断と行動に変えられる状態になって初めて、会社の記憶になります。
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