honkoma Journal / AI活用

AIで発信を自動化したい経営者へ。記事を量産する前に、社内の一次情報を集めてください

AIでnoteやX、YouTubeの発信を回したい経営者の方へ。記事を量産する前に、議事録とお客様の声を集め、検索上位の分析で空白を見つけ、社長インタビューで一次情報を引き出す進め方を、honkomaの実際の作業記録とあわせて紹介します。

濃紺と青の背景に代表・林の写真と「AI発信の元ネタは社内にある」「AIで発信を自動化したい経営者へ」の文字

「AIでコンテンツ発信をしたい」という相談を、経営者の方からよくいただきます。

そのとき僕が最初にお願いしているのは、記事を書くことではありません。商談の議事録と、お客様の声をひたすら集めてもらうことです。

AIに記事を大量に書かせることも、Xに毎日投稿させることもできます。インプレッションを稼ぐだけの投稿なら、AIでいくらでも作れます。でも、読んだ人が「この会社に相談したい」と思う記事の元ネタは、社内にしかありません。

この記事は、AIでnoteやX、YouTubeの発信を回したいと考えている経営者の方に向けて書いています。

  • AIに投稿を任せたいが、何を書かせればいいか決まっていない
  • 記事や投稿は増えたのに、問い合わせにつながっていない
  • 社長自身が書く時間はないが、会社の中身が伝わる発信をしたい

こうした状況なら、最初に手をつけるのは記事の本数ではありません。この記事では、僕たちhonkomaが自社の発信で実際にやっている流れを、今回の作業記録ごと紹介します。各段階に「自社でやるなら」も書いたので、そのまま社内で試してください。

全体の流れ

やっていることは5つです。

  1. 商談の議事録とお客様の声を集める
  2. 検索上位のコンテンツを調べる
  3. まだ誰も書いていない「空白」を見つける
  4. 集めた情報をもとに、社長へのインタビューを作る
  5. 答えを記事や動画にする

調べる・整理する・下書きするのはAIの仕事です。社長の仕事は、インタビューに答えることだけになります。

1. 議事録とお客様の声を集める

最初に集めるのは、商談や定例の議事録、お客様からもらった言葉です。

議事録には、お客様が実際に困っていたこと、そのときの言い回し、途中で方針を変えた理由が残っています。これがそのまま記事の骨組みになります。

今回、honkomaの支援先2社について議事録を読み直したところ、最初の相談内容、現場で分かったこと、うまくいかなかったことと立て直し方まで、かなりの部分が記録から拾えました。僕が一から思い出して書くより、ずっと正確です。

自社でやるなら: 直近3か月分の商談や打ち合わせの記録と、お客様から言われた言葉を1か所に集めてください。録音の文字起こしや、メモの走り書きでも構いません。議事録を取っていない場合は、まずは商談や打ち合わせを録音するところから始めてください。

2. 検索上位のコンテンツを調べる

次に、狙いたい検索語で、いま上位に出ているコンテンツを調べます。

今回は、honkomaの事業に近い12の検索語(「AI導入事例」「AI導入支援」「中小企業 AI導入」「AI 受託開発」など)で、YouTubeとnoteの上位20件ずつを集めました。

集めるために、画面上のリンクを順位つきで一覧にするChrome拡張を作りました。YouTubeなら動画のタイトル・チャンネル・再生数、noteなら記事のタイトル・書き手・スキ数を、表示されている順に取り出せます。

重複を除くと、YouTubeが191本、noteが240記事になりました。これを全部AIに読ませています。動画は字幕を、記事は本文を読み、1本ずつ「何を言っているか」「誰に向けているか」「どこへ誘導しているか」をまとめさせました。

量が多いので、全体の設計をするAIが1つ、分析を分担するAIが5つ、という形で並行して進めています。

自社でやるなら: お客様が御社を探すときに打ちそうな検索語を5〜10個書き出してください。業界名や地域名、困りごとの言葉を組み合わせると見つかります。

3. 空白を見つける

上位のコンテンツを並べると、「みんなが書いていること」と「誰も書いていないこと」が見えてきます。今回わかったことを3つ挙げます。

狙っている顧客層の実例が、どこにもない

honkomaのお客様に多いのは、年商5〜30億円・社員50人くらいまでの会社です。ところが、YouTubeにもnoteにも、この規模の会社が実際にAIを入れていく話がほとんどありません。

上位にあるのは、大企業の話か、個人や小さなお店の話がほとんどでした。YouTubeとnoteを合わせて10グループに分けて分析しましたが、どのグループも別々に同じことを指摘していました。

上位に入りやすい検索語と、入りにくい検索語がある

たとえばYouTubeの「AI導入 失敗」「中小企業 AI導入」は、上位の多くがショート動画で、チャンネル登録者数の中央値は数百人でした。小さなチャンネルでも入れる場所です。

noteの「AI導入事例」「AI導入支援」は、上位20記事のスキ数の中央値が一桁でした。

逆に「生成AI 業務効率化」のYouTubeは、登録者数万〜100万人を超えるチャンネルが並んでいて、今から入るのは簡単ではありません。

伸びているのは「一次体験と数字」

よく読まれていたのは、書き手が自分でやったことを、数字つきで書いた記事や動画でした。一般論をまとめたものより、「実際に現場に入って、こうなった」という話のほうが明らかに強い。

ちなみに、honkomaのnote記事も「AI導入支援」で19位に入っていました。ただ、スキは1つです。手順はきちんと書いてあるものの、実際の数字や失敗談がなかったのが弱かったと思っています。

4. 社長へのインタビューを作る

空白が分かったら、それを埋めるための質問を作ります。今回は35問になりました。

インタビュー画面。質問ごとに記録からわかっていることと聞きたいことが並び、回答欄がある
質問ごとに「記録からわかっていること」を先に書いておき、社長は確認と足りない部分だけ答える。

ポイントは、議事録から分かることを先にAIが書き込んでおくことです。社長は「合っている」にチェックするか、違う点と足りない点だけを書けばいい。ゼロから答える必要がないので、忙しくても進みます。社長が使う時間は、確認と追記を合わせて1〜2時間ほどを想定しています。

質問は、そのまま何に使うかも決めてあります。「note連載の1話目」「ショート動画」「LINEの特典」といった具合です。答えが集まった時点で、どのコンテンツの材料がそろったかが分かります。

実際に僕自身も答えてみて、自分では当たり前すぎて書こうと思わなかったことが、いくつも出てきました。

たとえば、AI導入を相談してくるのは社長本人が多いこと。そして「何から始めればいいのか」と突然任された社内の担当者が困っているケースが多いこと。

もう一つは、社長が思っているメンバーの仕事と、メンバーが実際にやっている仕事は、意外と違うということです。これは支援先の現場に同行して初めて分かったことで、どの競合の記事にも書かれていませんでした。

5. 答えを記事や動画にする

インタビューの答えを、空白を埋める形で記事や動画にしていきます。この記事自体が、その最初の1本です。

AIが担当するのは、調べる・整理する・下書きする部分です。どの話を出すか、お客様の名前や数字をどこまで出すかは、人が決めます。

特に、お客様の事例を書くときは、掲載してよい範囲を必ず先方に確認します。議事録には、外に出してはいけない情報も入っているからです。今回も、内容の性質上、記事には使わないと決めた話題がありました。

AIでメディアを回すときに、人が持っておくもの

まとめると、AIに任せられるのは「量」と「速さ」です。何百本もの動画や記事を読んで、空白を見つけるところまでは、人がやるより圧倒的に早い。

一方で、読んだ人が相談したくなる理由は、その会社にしかない経験です。それは議事録やお客様の声、社長の頭の中にあります。

だから、AIで発信を自動化したい経営者の方に最初にお伝えしているのは、記事を書く前に社内の一次情報を集めることです。

最初の1週間でやること

  1. 直近3か月の議事録とお客様の声を1か所に集める(議事録を取っていないなら、まずは今日から商談や打ち合わせを録音する)
  2. お客様が打ちそうな検索語を5〜10個書き出す
  3. その検索語で、YouTubeとnoteの上位を眺めて「自社なら書けるのに、まだ誰も書いていないこと」を探す
  4. 見つかったテーマについて、社長が10分ずつ話して録音する

ここまでそろえば、AIに任せられる部分は一気に増えます。

どんな記録を集めればよいか、どの検索語から狙うかを自社に合わせて整理したい方は、AI導入・伴走支援についてご相談ください。

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