honkoma Journal / 業務設計

バックオフィスをAIで効率化する方法。任せる業務と人の確認工程をどう切り分けるか

Slack・Notion・Codexを使ったhonkomaの実例から、契約書の草案作成や請求書処理をAIに任せる方法と、人の確認・承認を残す業務設計の5つのチェック項目を紹介します。

濃紺と青の背景に代表・林の写真と「バックオフィスをAIで効率化」「任せる仕事と、人の確認」の文字

バックオフィス業務にAIを導入する際、重要になるのが「どの作業をAIに任せ、どこで人間が確認・判断するか」という切り分けです。

実務で活用するためには、業務を「入力・下準備・確認・承認」に分け、人が確認する箇所を決めます。

本記事では、honkomaが自社で運用しているSlackやNotionを使った実例をもとに、業務の選定基準と確認工程の設計手順を整理します。

SlackとNotionを基盤にした業務連携

honkomaでは、新しい操作画面を増やすのではなく、普段利用しているSlackを依頼の窓口とし、Notionを社内情報の管理場所として位置づけています。

Slack上には「山田」や「タクミン」といったAIが常駐しています。山田には主に契約書関連のバックオフィス業務を依頼し、タクミンとは日々の業務上の疑問をやり取りする形で使っています。日常的なコミュニケーションの場から直接依頼できるようにすることで、作業を始める際のハードルを下げています。

また、社内のNotionには顧客情報や契約情報などをまとめて管理しています。参照すべき情報があらかじめ整理されていることで、AIへの依頼時にも必要な情報をたどりやすくなります。

実例1:契約書作成(NDA)の手順と役割分担

契約書の作成業務では、下書きの作成をAIに任せ、条件の判断や最終レビューを人間が担当する手順をとっています。

Slack上で山田に「NDA(秘密保持契約書)を作成して」と依頼すると、登録されたひな形を使って草案が返信されます。

実際の一例では、Slackで作成を依頼してから草案が返信されるまでにかかった時間は約13分でした。この約13分は一件の依頼に対して最初の草案が返信されるまでの時間であり、契約の完了を示すものではありません。実際の返信でも未確認事項が残り、参照先を開けなかったことも報告されていました。この時点では相手への送付は行われていませんでした。

この業務における工程の切り分けは次の通りです。

  • AIが担当する工程:登録されたひな形の適用、情報の反映、草案の作成、未確認箇所の抽出
  • 人が担当する工程:未確認事項の確認と判断、条文の修正、専門家への相談、相手方への送付

白紙から作るのではなく、下書きと確認項目が揃った状態から確認に入れるため、担当者が着手しやすいフローを構築できます。

実例2:経理・請求書処理の流れと承認工程

毎月の請求書処理は、山田とは別にCodexを活用した仕組みで進めています。

メールで受領した請求書を毎月15日の締め日に集計し、代表の林が内容を確認して承認を行うと、指定期日に向けた振込予定の登録までが進みます。

処理の全体フローは以下の通りです。 請求書の受領 → 15日締め集計 → 林の承認 → 振込予定の登録

この運用では、集計や登録準備の手作業をAIに任せつつ、人が内容を確認・承認してから振込予定を登録する運用です。事前に数字が整理された状態で確認できるため、チェック作業に取りかかりやすくなります。あわせて、銀行残高や請求書、カード利用履歴をまとめた週次レポートも確認できるようにしています。

最初に任せる業務を決める5つのチェック項目

バックオフィス業務をAIに任せる際は、対象を広げすぎず、一つの業務に絞って設計を始めることが適しています。候補を選ぶ際は、次の5項目を確認します。

  1. 改善の目的を一つに絞る:作業時間の削減や担当者の着手しやすさなど、解決したい目的を明確にします。
  2. 参照する入力情報が揃っているか:使用するひな形や参照データが整理され、AIがアクセスできる状態か確認します。
  3. 成果物の形式を定めているか:草案のテキストや差分一覧など、人が確認しやすい出力形式を決めます。
  4. 誰がどの段階で確認するか:外部への送付や最終決定の前に、必ず人がチェックするポイントを固定します。
  5. 例外や情報不足時の対応を決めているか:参照先が開けないなどの問題が生じた際、推測で進めずに人に報告を戻す基準を定めます。

経営課題と担当者の主体性を合わせる

AIの導入を進める上では、ツールの機能だけでなく、社内の進め方が重要になります。

経営陣から指示を出すだけでは活用が進みにくいため、解決すべき経営課題を定めた上で、実際に業務を担当する人が主体性を持って関わることが欠かせません。下準備をAIに任せることで日々の着手が楽になる実感が得られれば、現場での工夫や定着が期待できます。

自社における導入計画の立て方についてはAI導入の最初の2週間を、支援の費用感や選び方についてはAI導入支援の費用と選び方も参考にしてください。

自社のバックオフィス業務でどの部分から着手すべきか整理したい方は、AI導入・伴走支援についてご相談ください。

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