honkoma Journal / 業務設計

AIに会社を聞かれる時代、PHPが古いままのサイトをどうするか

WordPressのサイトを保守会社に任せていて、PHPが古いままか分からない方へ。PHP 8.2のサポートは2026年12月31日まで。AIに会社を聞かれる時代に何が変わったか、管理画面で版を確かめる手順、保守会社にそのまま送れる3つの質問、今のまま・PHPを上げる・乗り換えるの3つの選び方と費用の決まり方をまとめました。

ネイビーの背景に「保守費を払っているのに、PHPは古いまま?」「PHP 8.2のサポートは2026年12月31日まで」「徹底解説」の文字と、「株式会社honkoma 代表 林拓海」の名札を付けた林拓海の写真

WordPressのサイトを保守会社に任せている。「PHPが古いままだと問題がある」と聞いたが、うちがどうなのか分からない。保守費は毎月払っているのに、何をしてもらっているのかも見えない。サイトを変えてもいいかな、とは思っているけれど、決めきれない。そんな方に向けて書きました。

急ぐ理由が1つあります。いまサポートが続いているPHPの中で一番古い8.2も、2026年12月31日でサポートが終わります(出典5)。それより古い版は、もう終わっています(出典4)。

もう1つ、変わったことがあります。会社のことをAIに聞く人が増えました。サイトの中身が古いままなら、AIが読みに来ても、そこにあるのは古い会社の姿です。

株式会社honkoma代表の林拓海です。中小企業のWebサイトの移行や、AIの導入を手伝っています。この記事では、PHPの話をできるだけ専門用語を使わずに説明し、自分で版を確かめる手順、保守会社にそのまま送れる3つの質問、今回の3つの選び方まで書きます。読み終えたときに「うちは今回どうするか」をご自身で決められるはずです。

お客様からよく聞く3つの声

サイトのご相談で、よく聞く声があります。

  • 「PHPの問題って聞いたけど、あれは何? うちは大丈夫?」
  • 「保守費は払っているのに、放ったらかしにされている気がする」
  • 「もう分からないから、まとめて変えてほしい」

どれも、もっともだと思います。分からないのは、あなたのせいではありません。サイトの裏側は外から見えませんし、誰に何を聞けばいいのかも分かりにくいからです。

この記事では、この3つに順に答えます。その前に、ここ数年で変わったことが2つあります。

変わったこと1:会社のことをAIに聞く人が増えた

Googleは2025年9月9日、検索の「AIモード」を日本語で使えるようにしました。質問をいくつかに分けて調べ、まとめて答える機能です(出典1)。検索結果の上にAIが要約を出す「AIによる概要」は、2025年7月の時点で月20億人以上が使っているとGoogleは発表しています(出典2)。

取引先を探すとき、仕事を探すとき、検索の前にAIへ「〇〇市で△△を頼める会社は?」と聞く。そんな調べ方が当たり前になってきました。あなたの会社も、どこかで誰かに、AIに聞かれているかもしれません。

では、AIは何を材料に答えるのでしょうか。Googleは、AIの答えにリンクとして出るのは、Googleに登録されていて検索結果に表示できるページだと説明しています。特別な対策は要らず、これまでの検索の基本がそのまま効くとも書いています(出典3)。

つまり、会社のサイトが2020年のままなら、AIが読みに来ても、そこにあるのは2020年の会社の姿です。

AIは、サイトにある会社の姿を材料に答える
聞く人がAIに尋ね、AIはGoogleに登録されたページを材料に答えます。サイトが2020年のままか、今の情報に直してあるかで、伝わる会社の姿が変わります。

変わったこと2:サイトを動かすプログラムに期限が来ている

ここからが「PHPの問題」の中身です。

WordPressは、PHPというプログラムの上で動いています。PHPには版ごとにサポートの期限があり、期限を過ぎた版は、弱点が見つかっても直してもらえません。

PHPの公式サイトによると、7.4は2022年11月28日に、8.0は2023年11月26日に、8.1は2025年12月31日にサポートが終わりました(出典4)。いまサポートが続いている中で一番古い8.2も、2026年12月31日で終わります(出典5)。

WordPressの公式サイトは、PHP 8.3以上を勧めています。古い版でも動きはしますが、サポートが終わった版は、サイトをセキュリティ上の弱点にさらすおそれがあると書いています(出典6)。

「うちは小さな会社だから、狙われないのでは」とも言い切れません。IPA(情報処理推進機構)は中小企業向けの手引きで、「ウェブサイトは企業の規模やネームバリューには関係なく攻撃されています」と書いています(出典8)。

表示されているサイトが、更新されているとは限りません。見た目が変わらなくても、裏側の期限は進んでいきます。

PHPの版ごとのサポート期限
PHP 7.4・8.0・8.1はサポートが終わり、8.2は2026年12月31日に終わります。8.3以上なら、今の時点では急いで変えなくてかまいません。

2つは別の話に見えますが、どちらも「サイトが2020年のまま」から起きています。中身が古ければ、AIには古い会社の姿が伝わります。裏側が古ければ、弱点が直らないまま残ります。

ある会社の例:きっかけはPHPの弱点のニュースだった

中堅の製造業A社の話です。会社のサイトはWordPressで、ページは約320あります。見た目には何の問題もなく、毎日ふつうに表示されていました。

2026年10月、PHPに大きな弱点が見つかったというニュースが出ました。A社はこれをきっかけに、外部の専門家にサイトを調べてもらいました。

結果はこうでした。

  • PHPは7.4.33。サポートが終わった版で、判定は「危険」
  • プラグインは20個。最新版だったのは2個だけで、残りは古い版のまま。もう使っていないのに入ったままのものもあった
  • 使っていないテーマも、古い版のまま残っていた

報告書では、PHPを8.3以上に上げること、プラグインとテーマを新しくすること、使っていないものは消すことを勧めています。A社はいま、PHPを8.3に上げることと、サーバーをCloudflareへ移して保守を外に任せることを考えています。

A社のサイトは、壊れていたわけではありません。古くなっていることが、外から見えなかっただけです。ニュースが出て調べるまで、誰も気づいていませんでした。あなたの会社のサイトも、表示されているから大丈夫とは限りません。次の方法で確かめてみてください。

「うちは大丈夫?」を自分で確かめる

WordPressの管理画面に入れるなら、左のメニューの「ツール」から「サイトヘルス」を開き、「情報」タブの「サーバー」を見てください。PHPのバージョンが書いてあります(出典7)。

  • 8.3以上:今の時点では、急いで変える必要はありません
  • 8.2:2026年12月31日までに上げる必要があります
  • 8.1以下:サポートが終わった版です

管理画面のログイン情報が、誰の手元にあるか分からない。そういうことも珍しくありません。その場合は、次の節の3つの質問を、今の保守会社にそのまま送ってください。

「保守費を払っているのに」と感じたら

IPAの手引きは、サイトの管理を外に任せるときも、委託先の作業の範囲を確かめ、約束したことを文書に残すよう勧めています(出典8)。

保守会社が何もしていない、とは限りません。作業の中身がこちらから見えていないだけのこともあります。次の3つを聞くと、はっきりします。

  1. いまのPHPとWordPressのバージョンは何ですか
  2. 月々の保守費に、PHPやプラグインの更新は入っていますか
  3. PHP 8.2のサポートが終わる2026年12月31日までに、何をする予定ですか

具体的な答えが返ってくれば、今のまま任せてよいはずです。答えがあいまいなら、それも判断の材料になります。

PHPの版の確かめ方と、保守会社に聞く3つの質問
管理画面に入れるなら「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」タブ→「サーバー」でPHPの版を見ます。入れなければ、今の保守会社に3つの質問をそのまま送ります。

今回どうするか、3つの選び方

ここまでの材料で、選び方は3つに分かれます。

A 今のままでいい PHPが8.3以上で、保守会社が作業の中身を説明でき、社内でお知らせを更新できている。この場合は、変える理由はあまりありません。費用も手間もかけずに済みます。

B 今の保守会社に、PHPを上げてもらう サイトの見た目や中身には満足していて、古いのは裏側だけ。この場合は、今の保守会社に頼むのが近道です。ただ、古いテーマやプラグインが新しいPHPで動くかどうかは、WordPressの公式も保証していません。先にバックアップを取るよう勧めています(出典7)。直しが要れば、別に費用がかかることもあります。

C 乗り換える 社内に更新できる人がいない。保守の中身が分からない。新しい事業や採用の募集が、サイトに載っていない。「もう分からないから変えてほしい」と感じているなら、ここに当たります。

Cを選ぶなら、デザインより先に「担当者が替わっても更新が止まらない作りか」を見てください。たとえば、AIに日本語で「お知らせに、年末年始の休みを載せて」と話せば更新できる作りなら、管理画面の使い方を覚えている人がいなくても止まりません。

乗り換えるときは、何の会社で、どこにあり、何をしていて、いま誰を募集しているのかも、今の情報で載せ直しましょう。今の情報が載っていれば、AIが読みに来たときに、今の会社の姿が伝わります。

どこに頼む場合でも、契約の前に、保守に何が入るのかを文書で確かめてください。「保守費を払っているのに」というモヤモヤを、乗り換えたあとに繰り返さないためです。

今のまま/保守会社に上げてもらう/乗り換える の比較
A・B・Cの当てはまる会社、良いところ、気をつけることの比較です。どれを選んでも、保守に何が入るかは文書で確かめておきます。

比べるための費用の決まり方(honkomaの場合)

BかCで迷うとき、費用が分からないと比べられません。honkomaでは、今のサイトを見て作業の範囲を決めてから、個別にお見積もりを出しています。

  • サイトの移行:ページ数などによって作業の量が変わるので、金額に幅が出ます
  • 移行後の保守:月々どこまでの作業を含めるかで変わります

Bなら今の保守会社の見積もりと、Cならほかの会社の見積もりとも並べて、比べてみてください。

迷ったら、外から見た結果をお送りさせてください

自分で確かめる時間がない。管理画面に入れない。そんな場合は、honkomaの無料診断で、外から見た結果をお送りします。

お送りしてよければ、サイトのURLと送り先(LINEかメール)を教えてください。必須の入力はこの2つだけで、ログイン情報は要りません。結果は2営業日以内にお送りします。

見るのは次の5つです。

  • 証明書の期限
  • サーバーやプログラムの古さ(外に出ている情報から分かる範囲)
  • スマホでの表示
  • 更新が止まっていないか
  • 検索に出るための基本の設定

気になる点があれば、今の保守会社に聞くときの聞き方も添えます。

見るのは、外から見える範囲だけです。結果を受け取っても依頼の義務はありません。売り込みの連絡はしません。A・B・Cを決める材料にしてください。

外から見える範囲のサイト診断

出典

  1. Google Japan Blog「Google 検索における『AI モード』を日本語で提供開始」(2025年9月9日)
  2. Google「Alphabet 2025年第2四半期決算でのCEO発言」
  3. Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」
  4. PHP「Unsupported Branches」
  5. PHP「Supported Versions」
  6. WordPress.org「Requirements」
  7. WordPress.org「Get the latest PHP」
  8. IPA「安全なウェブサイト運営にむけて〜企業ウェブサイトのための脆弱性対応ガイド〜」(2021年3月)

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